未来の二つの顔

Written 7月 25th, 2012

J.P.ホーガンが亡くなったのも、小説を書き始めるきっかけの一つだった。時代もあるのだろうが、彼が描いた作品には、科学と人間に対する絶対的な信頼がみなぎっていた。

そんなホーガンの作品の中で最も好きな作品が、この「未来の二つの顔」だ。星野之宣の「未来の二つの顔 (講談社漫画文庫)」で先に知ったのだけど、未来のシミュレーションを行う為に宇宙ステーションという閉鎖空間で反乱をけしかける骨太のサイエンス・フィクションだ。現在、星野氏が連載している「巨人シリーズ」には超越した宇宙人が登場するためか、ファンタジーの色合いが濃い気がするのだが、本作には私たちに備わっていない卓越した知性の助けはない。

そうであるからこそ、数多く登場する、様々な属性を持ったキャラクターたちがアイディアを交換し、未知なる困難へ立ち向かう姿は、コンピューターの描写が古くなった今でも一級のエンターテイメント小説の座を譲らない。

私たちが手に取れる物語の多くが描く未来は昏い。ディストピアとまで言えなくても、繁栄する未来を信じる力を感じられないもので溢れている。ホーガンが描いたような、力強い未来を信じたい。

そんな思いは伝わっただろうか。

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