ルビとリフロー

Gene Mapperジーン・マッパー」は配布しているファイルフォーマットで可能な限りルビが表記できるように制作されている。日本語の縦書き組版がというときに必ず含まれるのがこの「ルビ」だ。確かに日本語の印刷物を象徴する組版手法ではある。だが、このルビ、リフローする文書ではかなり扱いにくい。

Gene MapperはiPhoneで書き、縦書きプレビューをその場で行いながら書いていたためもあるが、「ハイスピード」の看板を掲げているように主人公が見聞きする言語を極力そのまま表記することにしていたため、漢字のよみがなを超えた利用を各所で行っている。例えば、下のような英語の対訳だ。

 ディスプレイの幅をほどに広げてから、解凍されたコードをオートジェネックス社のジーン・アナリティクスで開こうとすると、初めて見るアラートが表示された。部分的に日本語化されていない。滅多めったに出ないアラートなのだろう。

Gene Analyticsジーン・アナリティクスはcouldn’t detect読み込んだファイルのthe kingdom「界」を of your opening code.判定できません

Code groups昆虫とincluding both植物のinsects and両方のplants are found.コードが見つかりました

手動でテンプレートを選んでください。

「血液型占いから生物兵器まで」が売り文句のジーン・アナリティクスが「界」直下の大グループ、「ビコント」と「ユニコント」を混同することは考えにくい。メコン農場の連中が、発生したとかいうバッタの組織を混ぜてしまったんだろう。DNAのダイレクトシーケンスが可能になって二十年が経過したが、試料の扱いが基本なのは変わらない。まったく、雑な連中だ。

印刷物の組版に遠く及ばない字間のバラバラな開きが出てしまう。現状のWebKitはグループルビの母字おもじ親文字を改行できないのだ。通常、印刷物でこのような対訳をつけるときは親の行の横に小さなテキストボックスを配置して、改行されるように組む。印刷ならば見る人ごとに改行が異なるようなことは発生しない。

多くの商用EPUB電子書籍ではこの問題を嫌ってモノルビ(一つの母字に対して一つのルビ)を用いているが、私はHTMLがこの問題に対処することを期待して、セマンティックなグループルビを用いている。それに、英語の対訳ではモノルビ、ワードにルビなんかでは全く対処ができない。そのため、行に含まれる文字数が少ないデバイス、iPhoneでは少々見苦しい部分も出てしまっているだろう。

リフローに対し、完全に改行位置を変更できるようなルビの組み方を行うことが、改版や複数のフォーマットでの出版、新しいフォーマットですぐに出版するための措置であり、現時点での馴染んだ日本語縦書き、ルビで小説を読むときの最高の環境の一つでもある。まだまだ、環境は良くなっていくことだろう。

だが、これは出版人の都合を押し付けているにすぎない。読みにくい部分にであってしまった人がいたら、申し訳ない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です