Google Play Booksが日本にやってきた

Written 9月 26th, 2012

昨日から、日本のGoogle Playでも書籍が扱われるようになった。主婦の友社のラインアップがしっかりと並んでいるし、日本で電子書籍マーケットを開くときには必ず無料本として登録されている青空文庫もある。

Koboほど華々しい品揃えではないものの、外から触ったときの安定感はさすがGoogleと思わせるものがある。登録されている書籍の状態はまちまちで、そのあたりはBOOK.asahi.comのこのレビューを読むといいだろう。

「ネクサス7」でグーグルの新電子書籍ストア「グーグルプレイブックス」を試してみた!

これからいくつものレビューや感想が出てくるだろうが、この船出では肯定的なものにはなりそうもない。そして出版社が多いに罵られることになるのだろう。しかし、Google Playが貧弱なのは、このサービス自体の複雑さにも要因がある、と、販売登録を行ってみた身からは思ってしまった。

セルフ・パブリッシング・プラットフォームとして見たときのGoogle Play Booksについて書いてみたい。当然のことながら、私もGene MapperをGoogle Playで販売するための登録は済ませているのだが、レビューなんだかなんなんだかわからない待ち時間を過ごしている。

Google Play Booksへの書籍登録は、他のプラットフォームと全く異なるプロセスを踏む必要がある。まず、出版人はGoogle Book Previewプログラムへ書籍を登録しなければならない。本のAdWords広告登録みたいなものを想像すればいい。そこへ、ISBNと書名、著者名を登録し、データをアップロード(または書籍を送付)する。ここで登録された書籍が販売対象となるのだ。

Kindle Direct PublishingでもKobo Writing LifeでもiTunesでも、こんな手続きを要請することはない。出版人が出版物をKindleへ卸しKWLやiTunes越しに売る商流がまず基本だからだ。プロモーションはその商流が確保されていて初めて意味を持つ。

プラットフォームへコンテンツを行い、Googleへ幾ばくかのマージンを渡すというビジネスの入り口に、まず広告を作れ、という手続きが立ちはだかる理由は何なのだろう。広告が彼らの収入源であることと関係はあるのだろうが、Googleが失敗している他のサービスと同様のセンスのなさを感じる。

また、Google Play Booksではプロモーション・テキストを個別に入力できない。EPUBやPDFのメタデータを用いるということなのだろう。これでは、ランディング・コンテンツに期間プロモーションを表現できない。データに付いて回る不定の書誌情報は、GoogleがPlayマーケットに表示しなくてもデータとともに頒布されるし、ご自慢のPreview Programでも広めることができる。ロングテール商品ならばいいのだが、このままではPlaysを絡めたプロモーションを実施することがとても難しい。

出版人としては不満の多いプラットフォームだが、利用者としては、書籍が揃ってくれば快適なサービスとなるだろう。特に他のプラットフォームに存在しない「大古書」群は魅力的だ。

Japan: an account, geographical and historical, from the earliest period at which the islands composing this empire were known to Europeans, down to the present time, and the expedition fitted out in the United States, etc

この書籍はペリー提督が日本に来る前年に出版された日本研究書で近年完訳されていたのだが、こんな本の原典にありつける電子書籍マーケットはGoogle Playだけだ。

英語だけじゃない。日本語の書籍でも面白いものはたくさんある。大連商工会議所のスキャン本が読めたりするのも、メジャー系ならここだけだろう。現在の商業出版物がきちんと揃うことも電子書籍には大切なことだが、Google Playで読める前世紀、前々世紀の書籍に触れることができるというだけでも、大いに価値がある。

そんなわけで、Nexus 7を購入した。

Gene MapperがGoogle Play Booksのリーダーでどのように見えるのかを確認したいためなのだが、確認が終わったら、Google Plays購入者向けへのプレゼントにしてしまおうと思っている。お楽しみに。

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